カタクリ
【撮影地】
馬場島
【季節】
5月下
早春、カタクリは周りの草や木々の葉が展開する前に、花を咲かせ種子を作ると、その生涯を慌しく終える。その短い命からスプリングエフェメラル(春のはかない命・春の妖艶)とも呼ばれている。
カタクリは、人間が関わってきた里山と共に生息域を広めてきた。しかし、里山を必要としなくなった昨今、カタクリの群落に出会える処は少なくなっている。高級品の代名詞ともなっているマツタケも、この里山と共に運命を共にして来ている。
このカタクリ、一見か弱そうに見えるが里山から標高2,000m近くの高所まで生息域が広い、思いがけない処で出会うことがある。以前、池ノ谷へ行った際、荒々しい剱尾根やドーム壁を打ち消すようにカタクリが咲いていて驚いたことがある。
小首を傾け、うつ向きいた姿がなんとも可憐でカタクリを観ると素直にカメラを向けたくなる。被写体に絶好の花だ