平成16年10月28日(木)14:00、国土地理院より剣岳の標高を
これまでの2,998mから1mアップし2,999mと発表しました。
剣岳(上市町伊折より)
約100年前[1907年(明治40年)7月27日]。
*柴崎芳太郎測量官は、当時としては今日の登山装備ともいえない出で立ちで
地元ガイドの宇治長次郎を従え苦難のすえに剣岳 登頂を果した。それだけでも偉業である!!

だが、この発表を聞いて驚いたのは、当時の原始的な三角測量で計測した結果が
今回GPS等の近代的な機器を駆使しての結果とほぼ同じ結果であった事だ!!

待ちに待った発表は”2,999m”
最初は、あと1mで3,000mに達しなかったことに正直な所落胆した!
 
だが、平凡な3,000mより2,999の不整質な数字が
何かを暗示させているようで”剣岳”によく似合っていると思えるようになった。



*「剱岳・点の記」 新田二郎書 著  文芸春秋社
◎剣岳の標高に関連して北岳の標高変更と共に
「山と渓谷」2004年12月号の7頁にトピックスとして掲載されています。
100年越の三角点を設置、測量、最高地点を決定



下記は、この旧HPの『身近な自然』に標高発表以前に書いたもです。
2004年9月11日(土) 晴れ コシヒカリの刈り取りが盛んに行われている
新設された剣岳の三角点
剱沢小屋からの剣岳
今年の私的な重大事項として、
剣岳山頂に三角点が設置された事だ!

設置予定日が8月23日。その日は幸い本峰へのガイドもあり
記念すべき日に立ち会えると前々より楽しみしていた。

山小屋でも、以前からこの三角点設置の話題でもち切りで
”剣岳の標高”について、色々と話が飛び交っていた。

「最新のGPSでは、3,007mと表示された!」。
いや、「今の2,998mより低くなる」等々。

そして、その話の収まるところは何時も
『剣岳は、高くなろうと、低くなとうと、
その厳しさは変わらない!!!』と・・・・

だが、剣岳の麓で育ち、この山にこだわって
40年近くも登り続けてきた者にとっては
矢張り3,000m峰の高さが是非欲しい!。

S43年に、剣岳の標高が3,003mから、
それまでより5m下がり2,998mに改定された。
勿論、その厳しさは変わらないのだが、
3,000mを割ったのを知った時は大変ショックであった!。

山頂にデポさせれていた三角点の石柱
さて、待望の当日(23日)、
前夜から風雨が止まない生憎の天気で
三角点の設置は延期となった。

その日は、お客さんを一服剱まで案内し下山した。

それから5日後の8/28日に早月尾根から再び剣岳へ、
既に三角点は設置されている筈だ。山頂に着いて早速、
新設の三角点を眼で追って探した。

だが、何処にもそれらしき物が見当たらない?!
今度は、歩きながら落としたコインを探す様に
足元の岩を眼を見開いて探した。

祠から”三の窓”側(北側)へ10mほど
行った処に設置されていた新設の三角点
すると、周りの岩と同じ高さで白い花崗岩の四角形の中に
十字に刻まれた新設された三角点を見つけた。

その場所は、山頂の祠から”三の窓”側(北側)へ
10mほど行った処に設置されていた。
背丈が無く、すっかり周りに溶け込んでいて判りにくいのだ!

悪戯に、その上に手ごろな岩を乗せれば
何処にあるのか全く判らなくなる。

剣岳の三角点は、ニュースで報じられるまでは
山頂に三角点が無かった事を全く知らなかった。

その様に言われて初めて「そう言えば見た事はないな!」と、
漸く気づいた次第である。

そして、新設された三角点の頭を撫でながら
「今度は3,000mを越してくれ・・・・」と、切に願った。

計測の結果は3~4ヶ月後に出るそうだ!。

今は、宝くじを買って吉報のみを待っている気分である。